スタンダードサイズが、なぜ必要なのか。

先日、テレビCM用音源制作のレコーディングをしてきました。元気の良いロック的ポップス的なアプローチのドラムパターンでした。ミックスバランスはドラム大きめで、軽快な音楽に完成しました。現在全国ネットでオンエアー中ですの。ご興味のある方はメッセージ下さいね。


当日は22インチバスドラム、13インチタムタム、16インチフロアタムの三点セット。これに14インチスネアドラムを2台を持参しました。いわゆるロック的なスタンダードサイズです。このサイズを選んだ理由はシンプル。音作りをする時間が無いであろうと予想出来たからです。人に呼ばれて演奏する場合は、時間をかけてじっくり音楽を作るアーティスティックな現場と、自分のパートを録音できる時間が限られている現場と、その中間のおよそ3パターンです。テレビCMの場合は、音源制作に携わる人数が多い場合もあり、チームワークで進行して行きます。もちろん映像が最もインパクトがありメインですので、音楽は引き立て役ですね。映像にあわせて音楽の尺(長さ)や曲調がガラッと変わったり、少々独特な世界観で録音をする事になります。


事前に資料を送っていただき、一通り耳を通しておきます。しかし、直前まで変更が加えられる事の多い現場ですので、あまりしっかり聴きこまないようにしています。

事前に頂いた音源と当日の音源のイメージに開きがある場合、事前の音源のイメージが払拭できずに、かえって録音時間がかかってしまう事がありますので。


そういった理由で、限られた時間と制約の中でのドラム選びは、スタンダードサイズがベターです。これはドラマーだけではなく、録音にかかわるエンジニアやスタッフの皆さんがやりやすい環境作りにも大切な要素です。


22インチのバスドラム、13インチタム、16インチフロアタム、14インチスネア。

太鼓類のこのスタンダードなサイズは、音の伸び、低音感、アタック感、どれをとっても低めで中庸な音像です。ロック的に一番使われるサイズ感、という事は、自分以外の人間にとっては、一番耳馴染みのある音像という訳ですね。そして、ロック的ポップス的アプローチに関しては、ミュート感を調整してあげるだけで、音作りも最小限で済む可能性が高いのです。


「時は金なり」こんな状況が予想させる時は、スタンダードサイズを選びましょう!